ミナセ・アキトです。
先週起きた世界同時株安ですが、イタリアの財政赤字が原因の1つとのツイートをどこかで見ましたので、今回はイタリアの財政赤字について自分なりにまとめてみます。
イタリアの政治事情
イタリアは、2018年3月に総選挙があり、与党の民主党が後退し、5月末にポピュリズム政党の連立政権を組み、政権交代が起きました。政治的リスクもあるようです。
今回、2019年度(来年度)の財政赤字をGDP(国内総生産)比で2.4%に引き上げるという枠組みになりました。今年のGDP比の財政赤字はIMFの推計で-1.56%のため、1%弱の引き上げとなります。
これにより、イタリアの10年国債の利回りが急上昇し、世界の金融マーケットに混乱を招く1つの原因となったのでは?という見解があります。
(参考資料)
Bloomberg-イタリア連立政権の財政計画、議会が承認-欧州委に予算案提出へ
もちろん、今回の世界同時株安はイタリアの国債金利上昇のみならず、アメリカでも国債金利、長期金利が上昇しています。さらには中国とアメリカの貿易戦争に対し、ペンス氏の演説が引き金となり不安を招いたとの見方もあります。
イタリアの財政赤字
そもそも、財政赤字とはどういう状況か、というところから振り返ってみます。税収-政府支出<0となる状態が財政赤字です。結局国内の税収で賄えないので、政府は国債を発行して資金を集めます。そうすることで財政赤字を補います。
イタリア10年国債の利回りは10月12日3.621%ととなっていますが、これは2014年以来の水準で、高水準にあります。
2015年以来、2%前後の金利で推移していたイタリア10年国債ですが、今年2018年5月中旬ごろから1.7%から一気に3%台へ急上昇しています。
債券の金利上昇が何を招くか
債券自体の価格と、債券の金利は逆の動きになります。債券の金利が上がると債券自体の価格は下がります。なぜなら、金利が上がった後の債券を買った方が得です。そのため相対的に金利が低いそれまでの債券の価格は下落します。
金利が上がる、つまりは債券は売られているわけですが、金利が上がったことにより買いが入るとみることができます。国債は無リスク金利とみたときに、株の期待リターンが国債の無リスク金利(=リターン)に比べて小さくなるので、株が売られて国債が買われるとの見方もできます。そのため、今回の国債金利上昇で株価の下落につながったのではないか、と私は見ています。
アメリカの国債利回りも同様の見方ができると思います。
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