4005住友化学の決算を徹底的分析!【2019年3月期第二四半期決算】

株式投資

みなせあきとです。

このところ市況ばかり見ていて、肝心のポートフォリオに組み込んでいる銘柄については決算分析をサボっていました…(笑)。特に、最近買った住友化学については、配当利回りもよく業績をきちんと分析していくべきですよね。

今回は住友化学の第2四半期決算の分析をしていきます。

住友化学はどんな会社?

住友化学は総合化学大手の会社です。化学の会社の中でも、時価総額は162社中6位です。化学業界の他社には、4188・三菱ケミカルホールディングス、4183・三井化学、4063・信越化学工業、6407・旭化成主、6988・日東電工などがあります。

総合化学といってもさまざまな事業がありますが、住友化学の主な事業は以下の5つです。

① 石油化学
② エネルギー・機能材料
③ 情報電子化学
④ 健康・農業関連
⑤ 医薬品

▼住友化学を買った経緯はこちらの記事で解説しています!

4005 住友化学を買いました
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住友化学決算資料

本記事では、住友化学のIR資料を参考にしています。資料が見たい方は、下記のページからどうぞ。

※コンファレンスコールは、2019/1/31を目途に削除される予定ですのでお気をつけ下さい。

住友化学決算概要

前年度比では、増収減益となりました。石油化学事業が主な事業の1つですが、前年度と比べると原油価格が高騰しています。そのため、WTI原油先物の動向を見ると、減益はある程度想定内であったと言えます。

つまり、現在のところ、これまでの原油高による原価増そして減益はある程度株価に織り込まれていた、ということです。そのため、後述しますが決算発表後に大きく株価が下落することはありませんでした。進捗率も目安の50%には届きませんでしたが、堅調に推移しています。

このところWTI原油先物は価格を下げ、2018年3月ぶりの安値をつけ60ドルを割り込んでいます。しかし、今年度の価格は前年度比でずっと高い水準にありました。

11月9日現在の価格が下がっている理由は、アメリカによるイラク制裁が限定的であったため、制裁に備えた原油増産で供給が多くなっているためとみられます。この先1か月は年度内の低水準が続くと私は見ています。

そのため、次期の住友化学の決算では原価がある程度抑えられ、石油化学セグメントに関しては利益が増加するとみてもいいと考えています。

住友化学の2019年3月期第二四半期時点の進捗率

次に、2019年3月期の会社の通期見通し(連結業績予想)と第2四半期までの進捗率をみてみます。

(百万円) 売上高 コア営業利益 営業利益 純利益
通期見通し 2,490,000 240,000 205,000 130,000
第2四半期決算 1,122,118 102,106 81,502 61,486
進捗率 45.06% 42.54% 39.76% 47.30%

前年より増益減益でしたが、会社見通しに対しての進捗は堅調です。住友化学は、主に5つの事業が柱ですが、情報電子化学セグメントが売上・利益ともに好調だったようです。

非経常項目・為替差益について

前年比で、非経常項目のマイナスが目立ちます。

前年は固定資産売却益等、非計上項目での利益がありました。今期はそれがないため、若干営業利益を押し下げています。固定資産売却益は突発的な項目のため、前年の数字がたまたま良かった、と考えるべきかと思います。

また、為替レートは前年より若干円高水準となっています。住友化学は、原料を輸入・製品を輸出と円高・円安どちらの影響も受けます。公式ホームページの事業リスクには「製品輸出高は原料品輸入高を上回っている」との記載があります。

つまり、円高のほうが住友化学にとっては悪い条件となります。このところ円安が続いていますので、金融損益が前年比で増加しているという見方となります。

結果として営業利益は前年比△32.5%となりましたが、会社としての通期見通しに変更もないため、全体としては堅調に推移しているとみてよい、というのが私の見解です。

住友化学決算分析-セグメント別

さて、ここからはセグメント別に決算を分析していきます。その前に、セグメント別の売上収益、そしてセグメント別コア営業利益を見ていきましょう。

住友化学-セグメント別の売上収益

売上収益は、石油化学、エネルギー・機能材料、情報電子科学、健康・農業関連事業で増収。医薬品セグメントのみ減収となりました。石油化学、エネルギー・機能材料では売価も上がり、数量もあがったため17%を超える大幅な増収となりました。一方で情報電子科学では売価が下がったものの、数量が多く出たため、全体としては増収となっています。

住友化学-セグメント別コア営業利益

今期の住友化学は増収減益でしたね。全体的に価格(原価)面ではかなり厳しい状況にあったものの、エネルギー・機能材料、情報電子科学セグメントで数量が伸びたことにより、この2つのセグメントでは黒字となっています。

この表の見方のポイントは2つあります。

  • 価格差⇒マイナス、全セグメントで原価上昇により利益圧迫
  • 数量差等⇒数量差だけれはなく定期修繕や譲渡損益が計上されている

この2つを意識して、次からセグメント別の分析をしていきます。

石油化学セグメント

石油化学セグメントは、ナフサを原料としてプロピレンオキサイド、カプロラクタム、ポリプロピレン(PO)、ポリエチレン(PE)などの化学製品を製造する部門です。

2019年3月期第2四半期決算では増収減益となりました。

まず、数量差の「ラービグ製品出荷増加」とありますが、ラービグとはサウジアラビアコンビナート計画「ペトロ・ラービグプロジェクト」のことです。こちらの製品出荷増加により、数量差290億円を計上しています。

一方で、価格差では海外合成樹脂交易条件悪化、MMA・合繊原料等交易条件改善とありますね。まず「交易条件」という言葉ですが、輸入価格指数に対する輸出価格指数の比率として算出されます。つまり、輸出した製品価格でどれだけの輸入する原料が買えるか?という指標になります。

今回は原料のナフサが高騰していましたよね。つまり、海外合成樹脂が1ロット1万円としたときに1万円で買える原料のナフサの量が少なくなります。これが交易条件悪化、という意味合いです。

しかし、MMA(メタクリル酸メチル)・合繊原料では交易条件が改善しており、さらにはコストも+10億円を計上しています。全体的に言うと、数量差等の「千葉工場・シンガポール定期修繕」が大きな非常として計上されてしまったことが大きな原因と言えます。

ただ、修繕は必要なものですし、どこかの決算で必ず計上されるものです。逆に言うと、3Qや本決算ではこれらが計上されないということにもなります(もちろん、他工場の修繕が計上される場合はあります)。1Qの決算を見てみると、定期修繕の費用は計上されていません。そのため、今回の決算に限った費用の計上とみていいと考えています。

エネルギー・機能材料セグメント

エネルギー・機能材料セグメントは、アルミナ、アルミニウム、高分子添加剤やゴム用用品、さらには電子部品や次世代自動車に用いられるリチウムイオン二次電池部材などの機能化学品を製造している部門です。

2019年3月期第2四半期決算では増収増益となりました。

こちらは売価が上がっていますがやはり原料高で利益減、そしてコストも増加しておりますが、リチウムイオン二次電池用セパレータ、高純度アルミナ、これらの需要が増え出荷が増加しました。全体的なコストは上がりましたが、数量が多く出たために増益となりました。

アルミナはリチウムイオン二次電池の部材、半導体製造装置のセラミック製部材などに用いられています。今回の決算では、半導体製造装置を製造している6857・アドバンテストがかなりいい決算を出しており、2Qが終わった時点で64.4%の増益でした。8035・東京エレクトロンは業績こそ下方修正しましたが、増収増益で進捗率は57%程度で推移しており、過去最高益としています。

そのため全体的な市況が良かったことが、増収増益の要因と考えられます。

情報電子化学セグメント

コンファレンスコールで好調と言われた情報電子化学セグメントです。こちらは液晶ディスプレイに必要な偏光フィルムやカラーレジスト、半導体製造で用いられるフォトレジスト、携帯電話やスマートフォン、アンプなどのデバイスに利用される化合物半導体などを製造する部門です。

2019年3月期第2四半期決算では増収増益となりました。

情報電子化学セグメントでは、売価が下がり、価格差もマイナスといったところですが、それを上回る数量差で増益となっています。売価が下落しましたが、コスト面では原料合理化で収益率も若干向上しています。この原料合理化がなければ、△95+113=+18億円というところですから、コスト面での努力が光ります。コスト面もさることながら、やはり偏光フィルムの需要増加が、今回の増収増益の要因であると考えられます。

スマートフォン・半導体関係では6981・村田製作所6762・TDKなどが好決算、業績も上方修正で大幅に株価を上げました。スマートフォン、半導体事業の市況が好調なことが伺えます。しかしながら、Appleの決算ではiPhoneの台数が横ばいでした。今後の市況を注視しておく必要がありそうです。

健康・農業関連事業セグメント

健康・農業関連事業セグメントは、文字通り農業関連そして生活環境関連製品を扱っている部門です。農薬・肥料や防疫用殺虫剤などを製造・販売しています。

2019年3月期第2四半期決算では増収減益となりました。

売上収益は若干増でしたが、コア営業利益は大幅な減益となっています。海外農薬の需要が増えた一方で、原料価格の上昇、そして持分法適用会社であるオーストラリアの化学メーカーニューファームの損益が悪化したことの影響が大きかったようです。

医薬品セグメント

医薬品部門は、文字通り医薬品を製造する部門です。大日本住友製薬、日本メジフィジックスが連結会社となっています。大日本住友製薬は精神神経領域に強みがあり、日本メジフィジックスは核化学の診断・治療で大きな強みを持っている会社です。

2019年3月期第2四半期決算では減収減益となりました。

厚生労働省が2018年3月5日に薬価改定を発表していました。4506・大日本住友製薬は進捗率は堅調なものの、前年同期比減収減益となっていました。ただ、為替想定レート等もあり通期の見通しは若干の下方修正にとどまっています。

また、国内のみならず北米での販売費増加、また研究費によるコスト増加で利益を圧迫しています。また、前年にシクレソニド事業を譲渡した際の譲渡益を計上しています。

医薬品事業は国内薬価改定が減収の大きな要因だと思われます。

 

以上がセグメント別の分析になりますが、売上と収益をまとめると表のようになります。

石油化学 エネルギー・機能材料 情報電子化学 健康・農業関連事業 医薬品
2Q決算 増収減益 増収増益 増収増益 増収減益 減収減益
主な要因 工場定期修繕 市況好調 市況好調 持分法適用会社損益悪化 薬価改定

エネルギー・機能材料、情報電子化学は市況が好調なので、他会社の上方修正等をみると、今期は安定した収益を生み出せそうな見通しです。石油化学については、修繕の影響があったものの、増収傾向ですので、下半期に期待ですね。健康農業関連事業・医薬品は現状としては厳しいですが、農薬の市況や、研究開発等で数年先の利益に期待したいところです。

住友化学の株価

4005・住友化学、日経平均、WTI原油先物の3月から11月までのチャートです。3月1日を基準とした騰落率で表されています。私は当初、原油高騰⇒ナフサ高騰⇒住友化学減価圧迫⇒株価下落、というシナリオを描いていましたが、どうやらそういう傾向はみられません。

チャートをぼやっと眺めてみると、原油というより日経平均にほぼほぼ連動している感じがします。3/5の薬価改定、7/31の決算と個別材料はあるものの日経平均が上がれば上がり、日経平均が下がれば下げるというような動きになっているように見えます。

日経平均の寄与率は0.1%と少ないですが、先物が買われれば日経平均が動きますから、その関係で間接的に住友化学も買われているのかもしれませんね。

住友化学の決算発表後の動きと抵抗線

個別のチャートで見ると、570~580円くらいで何度も反発しているので、このあたりが抵抗線となると思っていました。しかし、10月の世界同時株安で一気に割り込み、540円が終値ベースでの安値になります。

現在は日足で見ると、移動平均線では11/7に25日線ゴールデンクロスですが、75日線・200日線よりは下基準になります。直近ではこの2つ、620~640円が高値圏になりそうです。

11/7の決算発表では増収減益・営業利益は前年度同期比30%台の減益ということでしたが、そんなに悲観売りはなく、むしろ10月地合いが悪すぎ反発局面であったためか、売りは限定的でその後は少しずつ回復し600円台に乗せています。

今後の売買戦略

戦略としては、日経平均が売られれば必然的に売られる動きになるので、私は安値圏で少しずつ拾っていくという戦略を取ろうと思っています。この間の10月中旬からの世界同時株安では、かなり安い水準にあり、配当利回りが4%を超える場面もありました。

安値圏は540~580円と見ています。このあたりに指値をおいてもいいですし、地合いを見て100~200株ずつ拾っていきます。私は配当利回りをみて買っているので、NISA口座で長期保有目的で、少しずつ増やしていきたいと思っています。

私が買ったのは10月以降になるのですが、ちょうどこのころ東証では売買単位100株への動きがラッシュで、これは数年前からJPXが各企業にはたらきかけていたことでもります。

▼東証、売買単位100株への動き

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住友化学も、以前は1,000株単位での売買でしたが、100株単位で売買できるようになったので個人投資家でも買いやすい株だといえます。

以前住友化学の株を初めて買ったときには、完全に安定株狙いで利回りが高く、過年度の業績も安定しているため購入をしました。化学株は総じて日経平均よりPERが低めな傾向にあります。

  • 直近の高値圏は620~640円、640円を抜ければさらなる上昇も
  • 直近の安値圏は540~580円、配当利回り4%前後で買い

 

今回は4005・住友化学の第2四半期決算を徹底分析してみました。

正直、私も全然事業内容を見ずに四季報で気になり買ったのですが、堅調なしっかりした株といった感じがします。今後もリチウムイオン二次電池、そして半導体の伸びがあると見ていますので、石油化学を軸として、しっかりとした事業形態だな、という印象ををもちました。

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